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2016/07/30

パイナップルケーキのおはなし

パイナップルケーキを作ろうと最初に思い立ったのはかれこれ10年ほど前になります。


上海で点心作りの職業訓練校に行ってた時"風梨酥"というものを作りました。


丸っこい形で、中に黄色いネタっとした甘い餡が入ってて、大して美味しくなくて(笑)

まさかそれがかの有名なパイナップルケーキ🍍だったとは?!

似ても似つかない感じで、いつか美味しいパイナップルケーキを作りたいと思ったものです。


中国から帰国して、東京で盛んに点心教室を開催していた2008年当時、

「パイナップルケーキを作りたい!」

という生徒さんが少なくなくて、そもそも私自身パイナップルケーキ作りたいとずっと思っていたにもかかわらず、どうしても試作は前に進みませんでした。


当時、台湾で売られている風梨酥をいろいろ食べながら、作り方を調べていました。クッキー生地にはバターや脱脂粉乳、パルメザンチーズなどが入っているレシピもあり、パイナップル餡は冬瓜糖や寒梅粉を入れて作るとの情報を得ては、それを買って作ってみたりして。

でも、自分として、これ!という納得感がなかったのです。



そして時は8年も流れ、2016年2月。

私たちはヴィパッサナー瞑想の30日コースをすわりにスリランカのキャディにある瞑想センターへ。コースの最終日に、同じコースに参加していた台湾人の女性とお話しすることに。

彼女とその旦那さまは大のお茶通で、私がお茶や点心のクラスをしていると言うと「台湾の素晴らしいお茶仲間を紹介する旅をコーディネートするから台湾においで!」と言ってくれました。そして、ベジタリアンの素晴らしいお料理をする先生を紹介したい、とも。

そのお話しを受けて、私たちは翌月3月に台湾に行きました。

それはそれは素晴らしいお茶体験をすることができました。

そして、彼女がプライベートレッスンをお願いしてくれたベジタリアン料理の先生は、私にとってお料理の先生というだけでなく、先達として心から尊敬し、愛することが出来る素敵な女性でした。



















レッスンの初めに彼女は力強くこう言いました。


最簡単、最好吃!


材料も作り方もシンプルなものが、
いちばん美味しい!


そう、そうなんです!!
私、この一言にものすごく自分を肯定してもらった気がしたのです。この言葉を聞いた時、私本当に涙が出るぐらい嬉しかったのです。


なぜそこまで感動したかというと、日頃私自身が感じている不安をその言葉が払拭してくれたからです。


料理をするとき、私の作るものはとてもとてもシンプルです。料理教室でお伝えしているものも、本当に簡単な、素材も単体か2つぐらいまでの組み合わせのものが多い。

見た目もとてもシンプルです。

だから時々、不安になるんです。
みなさん満足してくれてるのかな?って。私自身はこれが一番美味しい!って思って紹介しているのだけれどね。


たとえば麻婆豆腐。


肉を料理しなくなって、ベジタリアンバージョンの麻婆豆腐の試作を重ねてたとき、最初はもともと使っていた牛肉の旨味を出すために代わりに何を使えばいいか?試行錯誤していました。

また、コクを出すために油もピーナッツ油やゴマ油、ねぎ油を作って試してみたりといろいろなことをしました。

でも、最終的にこれだ!となったレシピは何も特別なものは使わない作り方。

ただし、ベジタリアンバージョンの麻婆豆腐では、素材の下ごしらえや、調味料を入れるタイミングなどが最終的な味に大きな違いをもたらすことを知りました。


野菜だけで美味しく満足感のある料理を作るには、肉や魚を使う時よりも繊細なバランス感覚ときめ細かい手順が必要な気がします。でもそれは必要性を感じれば誰でも出来ること。


例えば野菜を炒める時にほんのひとつまみの塩を入れて炒めると美味しさが違うと自分自身で実感出来れば、これから料理する時にひと塩振るようにすることぐらい誰でも出来るはずです。


シンプルな料理はどんどん自分の感覚を敏感にしていきます。使うものが少ないからこそ、ひとつひとつの素材の味が大切だし、調味料も大事。それを入れるタイミングが味にもたらす違いもわかるようになります。


台湾の先生が最初におっしゃった
最簡単、最好吃!は、
ただ簡単な料理が一番、ということではなくて、先生は素材を厳選し、調理法を熟慮し、最小限の手数で美味しさを創っていたのです。


私は、先生と完全に同じ考えです。お会いするまで先生のことは全然存じあげなかったし、先生の作る料理を食べたこともなかったのだけれど、最初にその言葉を聞いた時、この方の作るものに私は全く違和感を感じないだろうとすぐにわかりました。

そして、先生が作るものは、どれも私たちにとって自然に美味しいものでした。



そんな素晴らしい出会いから伝授されたパイナップルケーキは、私には目からウロコのシンプルさでした。

餡はパイナップル100パーセント。冬瓜も寒梅粉も使わない。

クッキー生地はバターもチーズも粉乳も使わない。もちろん卵も入っていません。

余計な味せず、私はパイナップルよ!という美味しさを引き立てるクッキー生地。なるほど、という味でした。

私はこれを作るようになってから、パイナップルケーキがなぜ台湾で作られるようになったか?というストーリーを読みました。

熟したパイナップルが売捌ききれず、山積みになってしまいどうにも困った産地の方たちが考えて作ったのが台湾でパイナップルケーキが作られるようになった理由だそうなのです。

だから、パイナップルを使う量を減らす目的で冬瓜を入れるというのはそもそも発祥の理由と相容れないし、いちばんのポイントはパイナップルの美味しさなんですよね。クッキー生地はあくまでもパイナップル餡と調和して邪魔しない、むしろパイナップルという主役を引き立てる存在。


2008年当時、いろいろと試作しながらもどうしても前に進めなかった理由。

それは、私がこの「パイナップルケーキ発祥の意義」を理解していなかったということ。

そしてそれ以上に大事な理由は、先生に会って、そして力強い最簡単、最好吃を聞いて、私は私のままで良いと自信を持つため。

こんな、長〜い長〜い時間をかけてやっと進んだ私のパイナップルケーキ。先生に教えていただいたものを少しだけアレンジ。でもあっけないほどシンプルなのは変わりません。

















点心のクラスでパイナップルケーキをやるのを長〜い間待っていてくださったみなさん。

こんだけ時間かかってこんなにあっけないの?と言われそうですが、そう、これが私のパイナップルケーキです!

時間をかけてようやく私の中のパイナップル🍍ケーキが熟したようです。

今日の台湾茶会で初披露です。
楽しんでいただけますように。





healthytastyandwise at 07:05│Comments(0)お菓子 | 中国茶

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